入れ歯治療

痛くない、しっかり噛める、見た目が自然な入れ歯を作ります

「入れ歯は痛いもの、噛めないもの」「見た目が不自然で、人前で口を開けるのがためらわれる」
長年入れ歯をお使いの方の中には、そうしたお悩みを抱え、半ば諦めてしまってはいませんか。
また、これから初めて入れ歯を作るにあたり、大きなご不安を感じていらっしゃる方もいるかもしれません。
当院の入れ歯治療は、そのような従来の入れ歯のイメージを覆すことを目指しています。
私たちが考える良い入れ歯とは、単にお口の欠損を補うだけの「装置」ではありません。
食事の喜びを取り戻し、会話を楽しみ、心からの笑顔になれる。
まるでご自身の体の一部のように、ごく自然に機能する精密な医療機器であるべきだと考えています。
そのためには一つひとつの工程に一切の妥協を許さない、精密な診査・診断と手間を惜しまない製作過程が不可欠です。
豊富な選択肢の中から、患者様一人ひとりのお口の状態とご希望に真摯に向き合い、適切な解決策を共に探してまいります。

合わない入れ歯がもたらす心身への影響

お口に合っていない入れ歯を使い続けることは、想像以上に心と体の両面に様々な不調をもたらします。

身体的な影響

歯茎に当たって痛み、傷や口内炎ができる
硬いものが噛めず、食事内容が偏りがちになる
十分に咀嚼できないため、胃腸などの消化器官に負担がかかる
言葉が発音しにくくなる（構音障害）

心理的な影響

食事中に外れないか、常に不安を感じる
友人や家族との外食を、無意識に避けるようになる
大きな口を開けて笑ったり、話したりすることに抵抗を感じる
口元の見た目に対するコンプレックス

これらの問題は、決して「仕方がないこと」ではありません。精密な入れ歯治療によって、その多くは改善することが可能です。

快適でよく噛める入れ歯を作るための私たちのこだわり

一本の入れ歯が完成するまでには、数多くの工程が存在します。
その一つひとつの精度が最終的な入れ歯の快適性、機能性、そして審美性を大きく左右します。

すべては精密な型採りから

入れ歯作りの土台となるのが、お口の型採りです。
この工程の精度が低ければ、その上にどれだけ良いものを建てようとしても、うまくはいきません。
当院では、まず患者様一人ひとりのお口に合わせた専用の「個人トレー」を作製します。
そして、その個人トレーを使い、お話をする時、食事をする時などのお口周りの筋肉の動きまでを精密に再現する「筋圧形成」という手法で型採りを行います。
これにより、お口を動かした時にも安定して外れにくい、吸着の良い入れ歯の基礎が出来上がるのです。
なお、良い入れ歯作りの根幹となるこの精密な型採りと噛み合わせの記録に関しては、保険診療の範囲を超える特別な工程となるため、別途費用（2,200円(税込)）を頂戴しております。あらかじめご了承ください。

顎の位置と噛み合わせの再構築

長年合わない入れ歯を使っていたり、歯がない状態が長く続いたりすると、顎の位置そのものが本来あるべき正しい位置からズレてしまっていることがあります。
そのズレた状態で入れ歯を作っても、快適に使うことはできません。
そこで当院では、必要に応じて「治療用入れ歯（リハビリ用義歯）」を先に作製し、一定期間お使いいただくことがあります。これは、いわばリハビリテーションのための一時的な入れ歯です。
これを用いて顎の関節や筋肉を本来あるべき、リラックスした安定した位置へと導きます。正しい顎の位置と噛み合わせが回復したことを確認してから、入れ歯の製作に入ることで、これまでにない適合感と機能性を実現します。

土台を整えるための外科処置

患者様によっては、顎の骨に「骨隆起（こつりゅうき）」と呼ばれる硬い骨の出っ張りが見られることがあります。
この骨隆起があると、入れ歯が当たって痛みが出たり、入れ歯が安定しなかったりする原因となります。
より高い適合性を追求するために、この骨隆起を外科的に切除し、歯茎の土台を平らで滑らかな状態に整える処置をご提案する場合もあります。

熟練の歯科技工士との共同作業

入れ歯を形にするのは、国家資格を持つ専門家である「歯科技工士」です。
歯科医師がどれだけ精密な設計図（型採りや噛み合わせの記録）を用意しても、それを形にする職人の技術が伴わなければ、良い入れ歯は完成しません。
当院では、入れ歯製作において長年の経験と卓越した技術を持つ信頼できる歯科技工士と密に連携しています。
歯の色や形、歯並びに関する患者様のご希望を細かく伝え、歯科医師と歯科技工士が一体となって、世界に一つだけの、その方のためだけの入れ歯を製作します。

お悩みとご希望に応える多様な入れ歯の種類

当院では、保険適用の入れ歯はもちろん、機能性や審美性に関する様々なお悩みを解決するための多様な自由診療の入れ歯をご用意しています。

入れ歯の種類	特徴	こんな方におすすめ
ノンクラスプデンチャー（部分入れ歯）	金属のバネがない、歯茎の色に近い樹脂で固定	見た目の自然さを何よりも重視する方へ
金属床デンチャー（総入れ歯・部分入れ歯）	薄く精密に加工できる金属で作成、熱伝導性が良い	装着時の違和感を減らし、食事をより楽しみたい方へ
マグネットデンチャー（部分入れ歯）	超小型の磁石で強力に固定、着脱が簡単	入れ歯のズレや外れにお悩みの方へ
インプラントオーバーデンチャー（総入れ歯）	インプラントを土台として固定、強固な安定感	ご自身の歯のように、しっかりと噛みたい方へ

ノンクラスプデンチャー（部分入れ歯）

一般的な部分入れ歯にある金属のバネ（クラスプ）がない入れ歯です。
歯茎の色に近い弾力性のある樹脂で歯に固定するため、口を開けても入れ歯であることがほとんど分かりません。薄く、軽く、装着感にも優れています。

金属床デンチャー（総入れ歯・部分入れ歯）

入れ歯の主要部分（床）を、薄く精密に加工できる金属で作った入れ歯です。
お口の中を広く覆う総入れ歯でも、違和感を大幅に軽減できます。
また、金属は熱の伝わりが良いため、食べ物の温かさや冷たさを感じることができ、食事をより一層楽しむことができます。

マグネットデンチャー（部分入れ歯）

残っているご自身の歯の根と入れ歯の両方に超小型の磁石を埋め込み、その磁力で強力に固定する入れ歯です。
食事中や会話中に入れ歯が浮き上がったり、外れたりする心配がほとんどありません。
着脱も簡単で、お手入れがしやすいのも特徴です。

インプラントオーバーデンチャー（総入れ歯）

顎の骨に数本のインプラントを埋め込み、それを土台として入れ歯を固定する方法です。
顎の骨とインプラントが強固に結合するため、通常の総入れ歯とは比較にならないほどの安定感と力強い咀嚼力を発揮します。

ボールアタッチメントデンチャー

ご自身の歯根や、数本のインプラントに「ボールアタッチメント」という、ホックのような小さな固定装置を取り付け、入れ歯を安定させる方法です。
マグネットデンチャーと同様に、入れ歯のズレや浮き上がりを強力に抑え、安定した噛み心地をもたらします。マグネットに比べて、より強固な維持力を求める場合に適しています。

入れ歯を長持ちさせるために

精密に作製した入れ歯であっても、日々の適切なお手入れと定期的な歯科医院での調整が欠かせません。
入れ歯そのものは変化しませんが、それを支える歯茎や顎の骨は年齢と共に少しずつ変化していくからです。
定期検診では入れ歯の調整だけでなく、残っている歯の健康状態も確認し、お口全体の健康を長期的にサポートいたします。